私が消費者金融から借入を行うようになったきっかけは、初めて一人暮らしをする事になり、田舎から東京へ引越しをしたことが始まりでした。 当時は、家計簿をつけるということも、生活費にかかる予算もまるで知識がなかったうえに、周りの華やかな雰囲気に見劣りをしないようにとも考えていました。
仕送りや貯金が少しだけあったのですが、生活費はアルバイトで賄わなければならない状況であったにも関わらず、初めてのアルバイトというものは思っていた以上になじめず、すぐに退職してしまう始末。でも、引きこもっている訳にもいかないので、面接用のスーツを買ったり、靴を買ったりもしていました。 結局、悪循環になり支払いに使っていたクレジットカードはすぐに満額になりそれ以上の利用が出来なくなった上に、月々の支払額がアルバイトの収入全額と同じほどになるまでに膨れ上がってしまいました。 クレジットカードの返済が滞ると「ブラックリスト」に名前が載るということは、よく意味がわからないまでも知っていて、とてつもない恐怖心を感じていたので、何とかしなければという焦りで、毎日憂鬱な生活をしていました。
そこで私が考えた方法は、アコムからの借入です。初めてアコムで契約をしたのは、今から15年くらい前です。当時は今の様に総量規制という法律もなかったので、アルバイトで他からの借入があってもカードの限度額30万円で契約をする事ができました。でも金利は29%。毎月の支払を滞る事なく済ませる方法があるのであれば、金利を気にしている余裕はありませんでした。自分の借入に一体いくらの金利がつくのか、今後収入が増える見通しがないのに、この借入をどう精算していくのか、当時は全く考える事さえできていませんでした。クレジットカードの返済の為に、アコムから借入をするという生活もあっという間に、アコムの限度額に達してしまい、今度はアコムの返済に困るようになりました。でも、毎月の返済をなんとかしなければならないので、次はアイフルから同じように限度額30万円で借入を行い、さらに次にはシンキから限度額20万円で借入を行いました。毎月何社ものATMを周り、借入と返済を繰り返すのです。それぞれ返済日が異なるので、まずはアルバイト代で返済し、限度額に余裕が出来るとすぐに借り入れ、別の返済に回すという生活を実に10年近くも私は続けていました。もちろん、その間、家族に相談する事も出来ず、すべて自分で解決しなければと、給料のいいバイトが見つかればすぐに転職をしたり、アルバイトを掛けもちしたりと何とか返済だけは続けていました。でも、返済を続けていると、今度は、金融会社の方から限度額増額の案内がくるのです。はがきや電話で連絡が来て、限度額を50万円までに引きあげる事が可能になったと。アルバイトで疲れ果てていた私には、その知らせが、危険なものだとわかっていても断るという判断さえできませんでした。
結局、10年近くも返済と借入を繰り返す中で、引越し、結婚と続き、ついには妊娠することに。めでたいはずの妊娠も、働けなくなってしまう、返済がと真っ暗な気持ちでしかありませんでした。でもちょうどそのころ、法改正があり過払い金についてテレビで大々的にCMがはじまりました。最初はその仕組みがよくわからなかったので、逆に不信感を抱いてしまい、もし手続きをしたらまた何か負債が増えてしまうのではとも思いました。でも、支払いを停めることが出来るかもしれないという事をテレビで知り、もしそうできるならとフリーダイヤルに問いあわせをしてみました。お金がかえって来ることは全く期待しないまま、とにかくこの返済日に追われ、人生最大の祝い事さえも祝えないような生活から抜け出す事が出来るのならと。
私は、弁護士や司法書士などの専門家のつてもなく、もちろん費用もありませんから、インターネットで探して専門家に頼ることにしました。今後の手続き、費用に関しても詳しく教えてもらう事ができ、すべての会社との精算が終わるには3カ月ほどかかりましたが、結局すべての支払いが止まり、手数料を差し引いた26万円が振り込まれました。 おかげで、出産にかかる費用を工面する事が出来たうえに、返済に追われる生活をリセットする事ができたので、本当に手続きをしてよかったと思っています。